※この作品目録は助手松浦弘二がまとめたものであり、「年月」の意味合いであるが、概ね工事期間と考えてよかろう。よって設計はその前には完了していたものと思われるが、工事期間の数字にはそれほどの正確度はなく設計図の日付がこの工事期間に入っているものや工事の終了がこの期間後のものも見受けられる。なお、この作品目録以外にも計画案のみの作品等が多数あり、川崎市立日本民家園展示会図録「建築史家・大岡實の建築〜鉄筋コンクリート造による伝統表現の試み〜」の大岡實建築作品目録を参照されたい。また、大岡實建築研究所では、まず大岡實がスケッチを描き、それを助手の松浦弘二が細部を含めてきちんとした設計図に仕上げるという役割分担で業務をこなしてきたようだが、大岡實が高齢になった晩年の他、大岡實の生前にも作品目録で助手松浦弘二(意匠設計共)と記されている物件(55件)については、大岡實がスケッチを描くまでもなく、口頭での摺合せのみで松浦弘二が主体的に設計図を描いたと解される。 |