〜社寺建築☆美の追求〜 大岡實の設計手法  大岡實建築研究所
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田子浦(たごのうら)仏舎利塔(静岡県田子浦)
大岡實は昭和56年4月の田子浦仏舎利塔落慶記念出版「仏舎利塔の由来とその変遷」の中で、この田子浦の仏舎利塔について「スリランカのアヌラダプーラの小塔を基準として設計したが、従来のものと少し違うところは、覆鉢を受けるのに連弁を用いたことである。蓮は清浄な花として仏教では尊重され、崇拝されて来たのであって、その蓮の花の上に仏舎利塔の本体の覆鉢が鎮座する感じを出したつもりである。」
上記のようにこの仏舎利塔の形式は仏舎利塔の原始形式における全体の形を確実に知りうるストゥーパの資料四種のうち、ルアンウェリーの小ストゥーパ(スリランカ/セイロン)形式と言われるものである。
次頁にルアンウェリーの小ストゥーパについての大岡實の見解を記す。
ルアンウェリーの小ストゥーパ(スリランカ/セイロン)

仏舎利塔の由来とその変遷/田子の浦仏舎利塔落慶記念出版より

大岡實は新版仏教考古学講座/雄山閣の中でルアンウェリーの小ストゥーパについて次のように述べている。
「この塔は紀元二〜三世紀のものと言われるが、これも一石から彫り出されていて(相輪は別石であろうが、同時の制作であることは明らかである)、確実に原形を保存しているものであり、しかも造形的に見て、全体のバランス、塔身(覆鉢)の曲線など美しい。」
さて、この仏舎利塔は「富士と港の見える公園」内にある。
アヌラダプーラのルアンウェリーの小ストゥーパ形式

斉藤昌昭氏 撮影

斉藤昌昭氏 撮影

この連弁がこの仏舎利塔の特徴である
設計図
遠景から見る

斉藤昌昭氏 撮影

ところで、ここには日本山妙法寺の田子浦道場がある。
ここは日本山妙法寺(田子浦)
この本堂は安田工務店の安田昭二氏の設計という
ガンジー像
なお、この地には鎌倉時代のはじめのころに「見付」が構えられ、東海道を往来する旅人を改め、吉原湊から対岸の前田まで舟渡しをしていたという。その後、徳川家康によって、東海道駅伝制が敷かれ、吉原宿として指定されたという。その案内板と石碑が立つ。
また、ここに当時の写真が残っている。
この当時には連弁が白色に塗られていたようだ
式典時の松浦弘二(左)
年月 西歴 工事名 所在地 工事期間 助手 構造設計 施工 構造種別
昭和48 1973 田子浦 仏舎利塔 静岡県田子浦 昭和48〜51 松浦弘二 松本曄 直営工事 RC造

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