〜社寺建築☆美の追求〜 大岡實の設計手法  大岡實建築研究所
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泉谷寺(せんこくじ) 本堂(神奈川県横浜市)
松亀山(しょうきざん)本覚院泉谷寺と称し、東京都港区芝増上寺の末寺となっている浄土宗寺院であり、小机領三十三観音霊場の第一番札所でもあるという。

寺の周囲には深い木立が残り、野鳥の声も聞こえてきて山深い寺の境内にいるような雰囲気が漂う正面に山門が見えてくる

本堂正面/庭園の自然のなかにゆったりとした軒反りをみせている

正面立面図/宝形(ほうぎょう)屋根

本屋根の下に下屋(裳階(もこし))が付いた形式となっており立面のデザインを引き締めている

左手は収蔵庫

向拝(ごはい)屋根先端は隠し軒樋となっており、雨は端部の呼び樋から下部の雨水受けに落ちるしくみとなっている/
向拝以外の屋根雨水は直接下の雨落溝(あまおちこう)で受けるようにして、意匠上の弊害となる軒樋を設けていない

向拝(ごはい)屋根詳細図

軒裏は垂木(たるき)が省略されて板軒(いたのき)形状となっている

向拝屋根断面詳細図

側面断面詳細図

縋破風(すがるはふ)廻り詳細図

さて、泉谷寺では本堂のほかに、鐘楼・山門そして収蔵庫を設計し、実現している。また、涅槃堂(ねはんどう)も基本姿図のみであるが提供し、実現している。

山頂の鐘楼/木造

施工は社寺建築工務所である

山門/木造/四脚門である

施工は社寺建築工務所である

平面及び立面図

立面拡大図

側面立面図

断面詳細図

後年に本堂に合わせた塗装が施されているようだ/竣工写真では素地のままとなっている(末尾の竣工写真参照)

断面詳細図

次に基本姿図を提供した涅槃堂である。
最後に収蔵庫を見てみよう。

右手が本堂で正面の渡り廊下を介して左手が収蔵庫である

年月 西歴 工事名 所在地 工事期間 助手 構造設計 施工 構造種別
昭和46.05 1971 泉谷寺 本堂 神奈川県横浜市小机 昭和47.11〜49.02 松浦弘二 松本構造設計 大林組 SRC造
昭和48.10 1973 泉谷寺 鐘楼 神奈川県横浜市小机 昭和48.10〜49.10 松浦弘二 意匠設計共 松浦弘二 社寺建築工務所 木造
昭和48.10 1973 泉谷寺 山門 神奈川県横浜市小机 昭和48.10〜49.10 松浦弘二 意匠設計共 松浦弘二 社寺建築工務所 木造
昭和50 1975 泉谷寺 涅槃堂 神奈川県横浜市小机 昭和50〜51 松浦弘二 基本姿図のみ 地元業者 地元業者 RC造
平成15.08 2003 泉谷寺 収蔵庫 神奈川県横浜市小机 平成15.04〜16.03 松浦弘二・隆 大林組 意匠設計共 大林組 RC造

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参考(山門の竣工写真)

素地のままとなっている

さて、ここに上棟式当時の写真が残されている。

合掌、手前が松浦弘二

後列のハッピ姿は施工の大林組宇賀神所長、その左が松浦弘二

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