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石浜神社稲荷社(東京都荒川区) |
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斉藤一平氏提供
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大岡實建築研究所で手掛けたこの建物は、大正15年に石浜神社に併合された「真先稲荷神社」であり、当時は両神社共現在の位置よりも隅田川寄りにあったとのことである。白ひげ西地区再開発事業に伴う護岸工事のため、昭和63年9月に現在地に遷座したのだが、石浜神社の本殿(木造/伊東忠太設計)は曳家してきたが、鉄筋コンクリート造の「真崎稲荷神社」は解体した模様で現在は残っていない。(末尾参考資料を参照のこと)
左手の看板には「真先稲荷神社新築工事/構造 鉄筋コンクリート造/奉納者 花木松太郎/設計 大岡實/施工 入沢工務店」と書かれている。
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斉藤一平氏提供
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境内にある石碑には奉納者花木松太郎、社殿設計大岡實とある。 |
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石碑 |
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拡大版/左から二行目 |
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基礎伏図(上)、平面図(下) |
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正面立面図(上)、側面立面図(下) |
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断面図 |
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断面拡大図 |
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妻面拡大図 |
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断面図 |
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断面拡大図 |
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断面拡大図 |
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向拝部分断面図 |
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年月 |
西歴 |
工事名 |
所在地 |
工事期間 |
助手 |
構造設計 |
施工 |
構造種別 |
昭和33.01 |
1961 |
石浜神社 稲荷社 |
東京都荒川区 |
昭和33.01~33.12 |
松浦弘二 |
入沢工務店 |
入沢工務店 |
RC造 |
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(意匠設計共) |
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なお、真先稲荷神社は現在の石浜神社境内に新しい形で残り続けている。(下記写真参照) |
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より大きな地図で 大岡實建築研究所 建築作品マップ を表示 |
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参考資料
真先稲荷神社社殿が解体されてしまった経緯を知る斉藤昌昭氏の貴重なインタビューが残されている。
斉藤:真先稲荷。それは東京のね、白髭橋のたもとに石浜神社っていうのがあるんですが、そこの境内に一旦工事やって建てたんですよ。ところがそこはね、たまたま高速道路が建つ位置に引っかかってたんですよ。でもその時は議員を使ってちょっと道路を曲げてもらってね、ここに建てたんです。ところがその時に一札入ってて、もしこの工事を本格的にやるとすれば、計画路線に入ってるから、今後やる様になると撤去ないし移動してもらうことになりますよ、という条件の下にそれをやったんです。で、私が定年になる何年か前ぐらいに「あれがもう無くなるよ。壊されるよ」って話が松浦弘二さんから私の所にあって、「行けたら行く?」って言われたんだけど結局は行かなかったんですよ。で、最近行ってみたらそこに石碑が建ってましてね、で大岡實が設計したとか、ちょっと由緒が書いてあります。で、これは余談かも知れませんがね、そこの石浜神社は伊東忠太さんが設計しているんですよ。あと何とかという古いテレビドラマがあって、その辺の情景が出て来る中で、真先稲荷がちょろっと出て来るんですよ。池波正太郎の、現代物で。「へえー」と思ってさ。この真先稲荷は寄付された。寄付した人はね、何ていう人だったかな、浅草の雷門を寄付するか、それとも自分の育った場所の物を寄付するかって事で、最初は本当は雷門を寄付する筈だったんですよ。ところが地元の人が「自分が生まれた町のお稲荷さんが地震で駄目になったので、それを復興しよう」って事になって、そっちを寄付した。そんな謂れがある。
安田:その雷門は現在の雷門ですか。
斉藤:そう。今のは鉄筋コンクリートになっているでしょ。あれが建つ前にそういう話が出ているんですよ。
なお、斉藤昌昭氏は元竹中工務店の社員で、現場担当として「大岡作品」の施工に多数関与している。この真先稲荷神社社殿の工事にもその以前に従事していたという。また、聞き手の「安田」は安田工務店の安田徹也氏であり、本文は安田徹也氏の聞き取り記録から引用しました。
ところで、後日、斉藤昌昭氏に確認したところ「寄付をした人」は前述の「奉納者」、花木松太郎氏である。花木松太郎氏は先に大岡實建築研究所が設計を手掛けた東本願寺浅草霊堂(東京都台東区/昭和29.02~30.04//助手:松浦弘二/構造設計:小野薫・佐治泰治/施工:木田建設/RC造)の奉納者でもあるという。(花木松太郎氏はハナキゴム㈱の創業者で、昭和32年には黄綬褒章を授章している人である) |
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